i-PROがパナソニックからカーブアウトし新会社として発足してから、2022年10月で丸3年を迎えました。i-PROが本社を構える日本市場で事業拡大に活躍しているジャパンリージョンの社員4人に集まってもらい、彼らから見たi-PROの現状と未来に描く展望について聞きました。
根底に流れる“ものづくり”への熱い想い
みなさんから見て、i-PROはどんな会社でしょうか?
坂口美咲(プロフィールはこちら):わたしが入社したのは、まだパナソニックの時代でした。その後i-PROが発足し、新しい環境に身を置いてからは、一貫してやりたいことを自由にやらせてもらっていると感じます。元々、わたしは技術畑でカメラの機構の設計を担当していたのですが、営業部門に行きたいと手を上げたところそれが認められ、部署を異動したんです。
古荘由香(プロフィールはこちら):わたしは2022年3月にほかの会社から転職してきました。入社前の面接で、大企業のように稟議を通してからでなければ動けないような組織は自分には合わないと伝えると、i-PROはこれから変わっていく会社だと言われ、入社を決めました。その言葉とおり、入社して初日に提案したことを認めてくれて実際にやらせてもらえたのは、うれしかったですね。
工藤和寛(プロフィールはこちら):わたしが入社したのは、古荘さんとほぼ同じ2022年4月です。i-PROでは上司に恵まれています。入社直後に「なにかおかしいと思ったことや、行き詰まったことがあったら、僕に言ってくれ。そういうことを変えるために僕がいるんだから」と声をかけられて、本当に心強く感じました。
三浦裕喜(プロフィールはこちら):僕はこれまで販売がメインの会社で働いてきました。i-PROはメーカーであり、技術者が主役の会社だなって感じます。i-PROの技術者は全員が熱意をもって働いていて、自分たちがつくるものに誇りをもっている。この点については、僕たち営業も胸を張ってお客様に伝えることができます。
もちろん、製品の高い品質についても自信をもっています。お客様からは「一回導入すると10年は壊れないのが頼もしい」というお声をいただくことが多くあります。そのような信頼性がi-PROの強みになっているのだと思います。
より具体的にi-PROについて思うポイントは?

工藤:高い品質を維持するために「なにを重視すべきか?」と、i-PROでは常に考えています。お客様に求められている品質は、従来の基準やルールありきでは達成できません。国際基準に合わせる場合もあるし、高い品質が求められるようなケースではそのレベルまで突き詰めます。つまり、お客様が求める品質や機能を実現するために必要なことを、自分達の頭で考えることが求められるのです。そのうえで、これまで培ってきたものを継承すべきことは継承し、新たに取り入れるべきものは取り入れる。それがお客様の期待に応えることにつながるのだと思います。古荘:わたし個人は現代はもう製品が仕様によって売れる時代ではないかもしれないと考えています。ものづくりにどういう想いを込めているのかを整理し、発信することで「選ばれるブランド」になると考えています。
i-PROは、人間の五感を超えるセンシング技術を駆使することにより、社会に貢献することをブランドステートメントとして掲げています。いままでとこれからではものを売るということの意味も違ってくるなかでSDGsのような要素も含め、i-PROのものづくりの根幹にある哲学を整理し、発信したいですね。三浦:社内では「i-PROをファンが多い会社にしていきたい」「i-PROの仲間を増やしたい」という言葉をよく聞きます。それに僕はすごく共感しています。ものづくりだけではなくて、アフターサポートや製品への信頼感をベースとしたブランドによってもファンや仲間は増やせるではないでしょうか。問題はそれをどうやってお客様に気づいてもらえるかということです。
坂口:「ファン」という言葉に関連して言うと、わたし自身はi-PROの技術者のファンです。あるとき、お客様の企業の技術者の方とi-PROの技術者の打ち合わせに同席しました。i-PROの技術者がお客様の要望を的確に引き出すとともに技術的にもレベルの高い会話を繰り広げている様子を目の当たりして、感動しました。営業として、彼らのすごさをこれまで以上に伝えていかなくてはならないと感じています。
i-PROという社名には、「わたしたちはプロフェッショナルを支えるプロフェッショナルだ」という想いも込められています。その社名の意味をいま一度見つめ直して、わたしたちはプロフェッショナルとしてどうあるべきで、どのように進むべきなのかを、明文化して社外に発信していきたい。それを社内でも共通認識として浸透させていきたいと思います。
より「柔軟」かつ「大胆」な会社を目指す
i-PROは発足当時にブランドパーソナリティの目指すべき方向性として「柔軟・大胆・誠実」を定義しました。「誠実」は良きところは守りさらに発展されていくべきもの、「柔軟・大胆」は従業員のアンケートやプロジェクトチームの合宿などを通して「今後はこう変わらなくてはいけない」と決意したものです。この3つについてどのようにお考えですか?
坂口:日本の市場、特にBtoBにおいては、「誠実」がすごく重視されます。i-PROも、お客様や多くの販売パートナーの声に誠実に耳を傾ける点を、高く評価していただいているのだと思います。「柔軟」「大胆」は発足当時の i-PROがこれから必要なものであると決意したものですが、この3年間で「柔軟」という部分はかなり実現してきました。でも、本当の「大胆」さが備わるのはこれからかもしれない。
三浦:i-PROの社員はみんな「誠実」な人柄で、コミュニケーションも取りやすい。「柔軟」という点でも、新しい人がどんどん入ってきたこともあるのではと思っていますが、諸先輩方もかなり意識されていらっしゃるのか柔軟な組織ではないかと自負しています。一方で「大胆」というのは、人と会社組織が両輪で回さないと実現できないのではないでしょうか。営業でも、チームとしての意思決定などにおいて大胆さを発揮することにより、よりスピード感を高めていけると感じます。
古荘:「柔軟・大胆・誠実」というのを目にしたときに、この3つはわたしに合っているなと思いました。でも、この3つが現場のすみずみまで行動として具現化されるまでにはまだ時間が必要です。現場に実装されて浸透して、そして文化として定着していくのが理想だと思っています。
わたしは自分のことを「柔軟・大胆」要員だと思っているので、前例がないことをどんどんやっていこうと思っています。前例のないことをやるのはみんな怖いと思うのですが、わたしが前例になれば、みんなもっと「柔軟・大胆」になれるはずです。工藤:お客様が欲しいと思った製品をいち早くお手元に届けるためにも「柔軟・大胆」さが求められています。私が事業戦略の担当として力を入れているのは、プリセールス活動の効率化及びスピードアップ化です。すでにその成果は上がっていますが、依然としてプリセール活動全体のスケジュール感を関係者全員が把握するまでには至っておらず、バッファを多めに見積もって冗長になりがちです。日本最速の「i-PRO体験」を実現するために、事業戦略部門として自分が活動の旗振りや部門間のつなぎとして貢献していきたいと思います。
それぞれが思い描くi-PROの明日
今後、i-PROで働いていくなかで、どのような展望を描いていますか?
古荘:わたしが新しく行ったことのひとつに展示会出展があります。最初に提案した際に「今どき展示会か?」と言われましたが、WEBだと興味を持ってくださったお客様としか話せません。でも、展示会であればそこに来た様々な人と話せます。今の私たちには、そこでなにを感じるかが大切です。顧客目線についてみんなが体感する機会という意味でも、展示会は効果的です。その成果が、いまからあらわれてくると期待しています。
いま考えているのは、すでにお客様になってくださっている方々、つまり一度i-PROの製品をお買い上げいただいた方々に、どうやってi-PROのファンになってもらうか。その仕組みを今後手がけていきたいと考えています。坂口:わたしたちの熱意や想いをどんどん発信して、i-PROという会社とその製品のよさを広く知ってほしいというのが一番の願いです。
同時にワークライフバランスも大事にしていきたい。i-PROには「ホームオフィス」という制度もあるので、家庭をもっても働きやすい環境は保てると思います。家庭を大事にしつつも、自分の仕事に対して熱意と自信をもってキャリアを築いていきたいですね。三浦:営業の仕事を通じて、内側から見るi-PROと外から見られているi-PRO像を中和して一致させたいと考えています。お客様の生の声を技術の方に伝え、それを受けて技術が培ったものをお客様に還元する。そうすれば、わたしたちがつくりたいと思ったものとお客様が欲しいものが一致するはずです。i-PROが価値を感じてつくった製品に対して、お客様が価値を感じる。そんな価値と価値の交換があって初めてものが売れると思うのです。
工藤:わたしは事業戦略部門に所属していて、会社の仕事が円滑に回るように尽力する立場です。新型コロナ禍によってコミュニケーションの形も変わりました。i-PROでは「ホームオフィス」のおかげもありリモートで働きやすい環境が整備されていますが、コロナ禍以前のような同じオフィスの中でひざを突き合わせるような社内コミュニケーションが取りにくいという一面もあります。
そういう状況だと、経験をもったキャリア採用の方でも、いきなり100%の力は発揮できませんよね。わたし自身、キャリア採用で入社してまだ日が浅いのですが、率先して社内でコミュニティをつくり、ちょっとしたことでも相談できる関係をつくっていくことに貢献できていればと考えています。