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人生のどんなステージでも 女性が輝ける会社へ

2022年 10月 11日

ヒューマンリソース 人材・組織開発 中原 瞳

i-PROのメンバーのなかで、中尾会長、尾崎社長に続いて社内で名前が知られているのは、今回話を聞いた中原瞳かもしれません。人事部に所属する中原は、全社員に宛ててメールでさまざまな情報を発信しているため、彼女に面と向かって会ったことはなくても、その名前を知らない社員は一人もいないはずです。実は中原は秋に出産を控え、そのキャリアにおいて新たな局面を迎えようとしています。インタビューでは、その胸中を率直に明かしてくれました。


i-PROの黎明期に人事として奮闘

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入社したのは、2019年。ということは、i-PROがパナソニックからカーブアウトした年ですね。

実は中尾会長と私は同期ということになるんです(笑)。当時開催されたi-PROの設立記念パーティーにも参加しているんですけど、実際に多くの人と会い、社員の活気とこれから独立していくんだという勢いを感じましたね。
所属は入社時からずっと人事部です。当初は、人事の制度もパナソニックのものからi-PROのものに変えなければいけないということで、パナソニックの人とガンガンやりとりしながら進めていきました。当時は新卒採用がメインで中途採用は久しぶりだったようで、入社手続きも一つ一つ確認するという手探りの状態でした。
私は、大学を卒業して初めて勤めたのが広告会社だったんですが、そこが、これぞベンチャー企業という会社だったんです。i-PRO立ち上げのときは、そのベンチャーな感じを思い出しましたね。設立当初は手探り状態。パソコンはあるけど、1週間くらいメールも開通しないとか。

そんななかで最初に手がけたのは?

最初は任用業務や人事の手続きからスタートしました。このころやっていた仕事は、今とは全然違います。パナソニックが作り上げてきた制度を一から理解しつつ、社員からの問い合わせについて、対応方法を調べ、なんとか手続きが分かる人を探し出して確認していくということの連続でした。本当に手探り状態でした。そんな中でいずれ構築したいと思っていたのがオンボーディングの構築です。

仕事の根本にあるのは「人」への興味

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中原さんのキャリアのなかで、人事の仕事にはいつから携わっているんですか?

1社目の広告会社のころからずっとやっています。でもさっき言ったように、最初の会社はすごくベンチャーだったので、人事一辺倒じゃなくて、総務やって経理やってイベントやってマーケティングやってという感じで、幅広い業務に携わっていました。その次に勤めたのは経済団体。行政といっしょに企業と求職者のマッチング事業を手がけたんです。
私はやっぱり人事という職業が好きで、自分の軸としてそれがあるんです。だからi-PROに入社したのも、福岡で人事の仕事を続けたいという想いからでした。
私って人に興味があるんだなって、人事の仕事をしているとすごく感じます。人が好きなんですね。キャリアコンサルタント資格を持っているので、キャリアの相談を聞く機会も多いんですけれど、そういうときもすごくやりがいを感じます。
全社員にメールを発信する仕事もやりがいを感じています。少しでもみなさん前向きな気持ちになるようなコミュニケーションができたらと思っています。時には厳しいフィードバックをもらって凹んだりすることもありますね。

ほかに、i-PROでどんな人事の仕事をやっているのか教えてください。

ひと言で言えば社内広報、組織開発ですね。会社が進みたい方向と同じ方向を社員が向いていないと、会社として力が発揮できないという側面があるので、会社の戦略や経営陣の考えなどをしっかりと社員のみなさんにお伝えする。会社の方向性と社員の目線や足並みがそろうようにコミュニケーションをとっていくということが第一です。
それがクローズな場で行われるのは非常によくないと思っているので、できるだけ透明性を保って、誰でも参加できて議論もできる、そんな場をつくろうとしています。社員のみなさんにとっても、そういう場があることが大事なんじゃないかな。
グローバルな規模でも、「Global Live Meeting」という、四半期に一度開かれるオンラインイベントがあります。世界に散らばっている5つの拠点の全社員が参加できるイベントで、日英中の同時通訳が入るので、ほかの国の動向や市場の反応などをリアルに感じられる。ほかにも新商品の情報や企業戦略を発信するためのニュースレターも3か国語で展開しています。
私は英語がしゃべれないくせにグローバルの企画をやっているんですけど、どうやったら海外の人にしっかりと情報が伝わるのかということについては、すごく考えますね。なかなか難しいですけどね。海外の拠点の人に拙い英語で「こんなイベントをやりたいんだけど、出てもらえませんか」なんて交渉したりもします。本当に伝わっているのかなって不安になりますけど、海外のみなさんは良い機会だと捉えてくださってとても協力的でありがたいですね。

経営陣と社員の間でもコミュニケーションをとる機会はあるんでしょうか?

イベントごとにその機会があるんですよ。その場でディスカッションすることもあります。イベント後のアンケートで「経営陣がこんなに本気で取り組んでいることがわかって、モチベーションが上がった」という社員の声が寄せられたことも。
私は社員からのフィードバックは経営陣にもご覧いただくようにしているんですけど、「具体的な説明が足りない」という意見が上がってきたとき、「次のイベントで説明する時間を設けたい」と尾崎社長から提案されたことがありました。経営陣のみなさんも、こういう機会を通して社員に向けて伝えていきたいという意向を強くもっているんです。
i-PROを成長させるために変えるべきところは変えなきゃいけないと経営陣も強く思っていると思います。それを社員に伝えるためのコミュニケーションは丁寧にやっていきたいし、その結果、社員のみなさんが「こう変わっていきたいね」って自然と思えるようになればいい。
いろんなバックグラウンドを持っている方が集まっている会社だからこそ、社員のみなさんがコミュニケーションをとりながら関わる場をもち、ポジティブな気持ちで会社の方針と向き合っていくことが、i-PROの未来のキモになると思うんですよね。

 

バランスが難しい「柔軟」「大胆」と「誠実」

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中原さんから見てi-PROはどんな会社ですか?

大企業とベンチャーの両方のキャラクターが共存しているのがおもしろいって思っています。大企業に比べたら、新しいことにチャレンジしやすい環境だと思うんですよね。私は元々ベンチャー出身なんで、そういうところって最高だなって(笑)。
逆にもっとこうすればいいのにと思うこともあります。もっと、みんな雑談とかすればいいのになとか。入社したときにカルチャーショックを感じたのは、社内がシーンとしてることだったんです。会話があまりない。そんななかでしゃべったら「浮いちゃってはずかしい」みたいな感じになってて。みなさん黙々とお仕事をされていて、それはすごい美徳だと思うんですけど。でも、雑談があれば、別の部署のこともわかるし、関係もよくなると思うんですよね。しゃべったことがあれば、何かアドバイスが欲しいときとかも、気軽に声をかけられるし。いまは、入社したときに比べれば、ずいぶんにぎやかになりましたけど、もっと会話があってもいいと思います。

i-PROは立ち上げ時に、コーポレート・アイデンティティとして「大胆」「柔軟」「誠実」を掲げたわけですが、3年がたって、それが実現したと感じますか?

人によっては「柔軟」を追求するあまり、「誠実」がないがしろになっている気がします。「大胆」と「柔軟」は比較的近いカテゴリーですが、この2つと「誠実」をいかに両立していくかが問われている。
たとえば、対応に透明さが欠けていると感じることもありました。そりゃ透明にしたら、社内の人から攻撃される可能性もありますよ。でも、そこは覚悟をもってやっていくべきことなんで。
仕事に関して「ここは難しいです」って言えないのも問題だし、「これどうしたらいいですか」って聞けないのも問題。それを言うのが「誠実」さだと思うんだけど、言えない人もいるんですよね。
それとは逆に、透明性を維持して誠実な対応をとってるなと感じたことがありました。ある部署では難航している状況の中、その状況をちゃんと社内でオープンにしていた。そうすると、社員のみなさんにも彼らの想いが伝わるから、ちゃんと理解を示してくれるんですよね。
その部署のある人の言葉が今も私を勇気づけてくれています。「1,2週間はみんなから文句を言われると思うけど、それを受けるのも仕事のうちだ」って言っていたんです。「誠実」であるということは、こういうことだと思いました。社員のみなさんの希望が100%叶うってことには絶対にならないので、できていないことをちゃんと「ごめんなさい」って言えるかどうかも大切。

 

「子育てとキャリア」両立のモデルに

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中原さんは出産を秋に控えているわけですが、女性にとってi-PROは働きやすい会社でしょうか?

おべっかを使うわけではなくて、すごく仕事がしやすいなって思っていて。i-PROって圧倒的に男性が多い会社なんですけど、女性だからといって嫌な思いはしたことがない。あとはやっぱり制度がちゃんと整っている。そこはベンチャーとは違うなって(笑)。
出産や育児についてもかなり制度が整っていて、ベビーシッターを頼むのにも補助が出るような仕組みがあったり。育休を取った男性も何人かいらっしゃって、男性だって育休取るんだから、私が取っても大丈夫だろうって、変に安心したりして。
i-PROになってからは、出産するのは私が初めてです。お子さんがいる女性社員が人事部に何人かいて、いろいろ相談もできて、それも心強かったです。i-PROは人事に限って言うと女性が多い。出産については男性には相談しにくいこともあると思うんですけど、言いづらいときも人事に相談してもらえたら「おめでとう」って喜んで話を聞いてくれると思います。

子育てしながらキャリアを築くという展望が、i-PROで描けそうですか?

そうですね。子育てとキャリアを両立しやすい会社だと思います。職種によっても異なりますが、上司としっかりコミュニケーションをとっていれば、在宅勤務もしやすい環境ですし。実際に、私もつわりの時期に在宅勤務が許されたのが、すごくありがたかった。そういう「柔軟」さは、子育てしながら働くうえでも大きいんじゃないかな。
私は副業で大学生向けの講演や転職希望者向けの模擬面接をやっているんですけど、子育てとキャリアの両立は、本業と副業の両立なんて比べものにならないくらいに難易度が高い。それには夫の力も欠かせないと思っているので、「私たちは運命共同体だよね」って常に夫には言い聞かせています。周囲に助けを求めたいときは、素直にそれを口にする。そうしながら子育てと仕事の両立に挑戦する。そして、実際に両立できたら、i-PROで働く女性にとってのモデルになれるし、今後子育てをされる女性社員の方にも安心してもらえるんじゃないかな。

 


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中原 瞳(なかはら ひとみ)

熊本市出身。熊本大学では教育学部で学ぶ。広告会社、経済団体で人事系の仕事に携わり、2019年にパナソニックi-PROセンシンングソリューションズに入社。人事部に配属され現在に至るまで、社内広報や組織開発を手がける。「Building the Future」という取り組みでは、メール配信やイベントによって、経営陣と社員の交流を深めたり、社員同士でつながり合えるようにコーディネイト。そのほか、四半期に一度グローバルで社員を表彰するAwardの運営なども手がける。書道は師範代の腕前。また、ヨガも趣味の一つだ。

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